2012年4月15日日曜日

アリーナ照明にLED照明

小学校の既存屋内運動場の改修の設計でアリーナの照明器具の検討をしてみました。
某照明器具メーカーのご協力によりマルチハロゲンランプ、セラミックメタルハライドランプ、LEDの
3タイプで比較します。

切り妻屋根で2重天井、埋込灯具の高さをH=7.68m、H=6.23mとし灯数を既存と同じ20台とします。


★マルチハロゲンランプ


 MF400W  全光束42,000lm 消費電力415W
 平均照度 325lxでした。太い配光曲線は320lxを示しています。


★セラミックメタルハライドランプ


 CML400W  全光束45,200lm 消費電力390W
 平均照度 419lxでした。太い配光曲線は430lxを示しています。


★LEDランプ


 LED225W  全光束25,050lm 消費電力225W
 平均照度 362lxでした。太い配光曲線は350lxを示しています。


LED器具は光束が低くても照度が高く出ています。照度計算する時の係数が高いからのようです。
保守率で比べると、MF400Wは0.5、CML400Wは0.6、LED225Wは0.77となっています。




セラミックメタルハライドランプ電動昇降付器具がLED器具の半値と言う事ですので、今回は
前者を採用しました。
またLED器具を採用した場合、天井が低いのでランプの眩しさを抑える為に拡散カバーを
付ける事になります。すると照度が落ちるので灯具を4台~8台増やすことなってしまいます。

2012年4月8日日曜日

寒冷地仕様のエアコンについてⅡ

寒冷地仕様のエアコン屋外機を実際の設計に当てはめてみました。
例によって3社で比較します。

延床面積2,000m2 S造  3F
用途:事務所 一部夜間業務あり
標高:700m
エアコン屋外機:8馬力×1台、10馬力×3台、16馬力×2台、20馬力×3台

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★D社 ホっとエコビルマル

重量 4,080kg
定格消費電力 112.2KW
最大消費電力 116.58KW (外気温-5℃まで定格暖房能力の100%出力:14馬力と20馬力は不)
霜取り時間 外気温-10℃の時10分
立上り 外気温-10℃の時6分で室内熱交換器温度40℃
騒音 60~63dB

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★H社 寒さ知らず
重量 4,640kg
定格消費電力 114.13KW
最大消費電力 241.8KW (外気温-10℃まで定格暖房能力の100%出力)
霜取り時間 表記なし
立上り 表記なし
騒音 56~62dB

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★M社 ズバ暖
重量 2,960kg
定格消費電力 112.63KW
最大消費電力 176.25KW (外気温-15℃まで定格暖房能力の100%出力)
霜取り時間 外気温-10℃の時250分運転後の10分
立上り 外気温-10℃の時18分で定格暖房能力の100%出力
騒音 56~60dB

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カタログスペックだけではM社の機器の性能が高いです。(消費電力は大きくなる)
また機器の大きさ重量比較でもコンパクトなのはM社でした。


一般のビル用マルチエアコンでは

M社だと外気温+2℃でも定格暖房能力の100%維持のようです。
外気温-5℃になっても止まる訳ではないし能力が落ちるだけです。
1時間の内10分霜取りで停止するかもしれません。



2012年4月2日月曜日

寒冷地仕様のエアコンについて

最近結構な規模の建物の冷暖房の設計をしたのですが
熱源はお施主様のご要望で電気となり、寒冷地対応のエアコンを採用しました。

そこでエアコン各メーカーで寒冷地仕様をうたっている機種の比較をしてみます。

★D社
寒冷地対応エアコン屋外機(20馬力)
冷房能力:56KW 暖房能力:63KW
定格消費電力:17.3KW
外気温-5℃  暖房能力:56KW  消費電力:17.3KW
外気温-10℃ 暖房能力:50KW   消費電力:16.6KW
外気温-15℃ 暖房能力:45.2KW 消費電力:16.4KW
外気温-20℃ 暖房能力:40.8KW 消費電力:16.2KW
大きさ W=2.32m×D=0.765m×H=1.68m
重量 572kg

外気温-5℃まで定格暖房能力の100%維持とされていますが、それは8馬力と16馬力の場合で
10馬力と20馬力の場合は能力が落ちています。消費電力は17.3KW

★H社
寒冷地対応エアコン屋外機(20馬力)
冷房能力:56KW 暖房能力:67KW
定格消費電力:17.6KW
外気温-5℃  暖房能力:67.0KW
外気温-10℃ 暖房能力:67.0KW 最大消費電力:37.1KW
外気温-15℃ 暖房能力:63.0KW
外気温-20℃ 暖房能力:56.0KW
大きさ W=2.43m×D=0.75m×H=1.745m
重量 680kg

外気温-10℃まで定格暖房能力の100%維持とされてます。その時の消費電力は37.1KW


★M社
寒冷地対応エアコン屋外機(20馬力)
冷房能力:56KW 暖房能力:63KW
定格消費電力:18.21KW
外気温-5℃  暖房能力:63.0KW
外気温-10℃ 暖房能力:63.0KW
外気温-15℃ 暖房能力:63.0KW  最大消費電力:28.14KW
外気温-20℃ 暖房能力:---KW 極低温消費電力:26.42KW
大きさ W=1.87m×D=0.76m×H=1.65m
重量 440kg

外気温-15℃まで定格暖房能力の100%維持とされてます。その時の消費電力は28.14KW



同じ20馬力の寒冷地仕様のエアコンでもメーカーに寄って仕様にばらつきがあります。
消費電力は外気温が低い時に暖房能力を維持するには、定格消費電力の1.5倍から2倍になってます。
電気設備の設計では定格消費電力ではなく最大消費電力を元に幹線を決めることになります。
メーカーのカタログによると同じ20馬力の機種でも
D社  主開閉器100A 幹線38□以上
H社  主開閉器125A 幹線60□以上
M社  主開閉器150A 幹線60□以上
と違いがあります。

今回設計してみて、屋外機の大きさと重量も大きく違う事が解りました。
10台前後まとめて置く場合には建築の構造に与える影響は大きいですね。